3.「定期借家」契約の終了
1. 期間満了による終了
定期借家では、賃貸借期間の満了により、契約は確定的に終了します。 ただし賃貸人は、期間が満了する1年前から6カ月前までの間(通知期間)に、賃借人に対して、期間の満了により契約が終了することを通知しておく必要があります。この通知を怠ると、賃貸人は、期間が満了しても、契約が終了したことを賃借人に主張することができないとされています。ただし、賃貸人は、通知期間経過後に通知した場合は、その日から6カ月経過後に、賃借人に対して、契約が終了したことを主張することができるようになります。 なお期間が一年未満である定期借家の場合には、この賃貸人による通知は必要なく、その期間の満了により、当然に契約が終了します。
2. 中途解約
- 居住用建物で、床面積が200平方メートル未満のもの
居住用建物の定期借家契約で床面積が200平方メートル未満のものは、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難になったときは、賃借人は、契約を中途で解除するという申入れをすることができるとされています。この場合、賃貸借は、解約の申入れの日から一ヶ月を経過することで終了するものとされています。また、この賃借人の法定の中途解約権の規定よりも、賃借人にとって不利な特約は無効であるとされています。 - 1.以外(床面積200平方メートル以上の居住用建物、事業用建物)の定期借家契約の場合
当事者が、契約で、期間中の中途解約ができるという特約をしないかぎり、中途解約はできません。 - 店舗併用住宅の場合
店舗併用住宅であっても、生活の本拠としているものであれば、中途解約権の関係では居住の用に供する建物に当たります。