定期借家Q&A
Q25定期借家において再契約をする場合に、原状回復について注意することはありますか?
A25

普通借家と同じく、定期借家の場合にも、契約終了後、建物を明け渡すときに借主は原状回復義務を負います。

ただ、再契約をする場合には問題が生じます。再契約はあくまでも新しい契約ですから、前の契約の終了に基づく原状回復義務を果たした上で、建物を明け渡さなければならないのが原則です。しかし、再契約をする場合には、借主は同じ建物を借り続ける訳ですから、原状回復をさせても無駄になってしまいます。そこで、借主の原状回復義務を免除することになります。しかし、原状回復義務を免除しただけでは、今度は再契約の期間満了時の原状回復義務における「原状」が、再契約締結時の状態になってしまいます。つまり、再契約の期間が満了して、本当に建物を明け渡すことになったときには、最初に契約をしたときの状態に戻してもらわなければ困るのですが、それができないことになってしまいます。

そこで、再契約をするときには、「借主は、再契約が終了するときに、当初の契約締結時の状態に回復する義務を負う」と特約で定める必要が生じてきます。つまり、契約期間全体を通じて、最初の状態に戻させる、という原状回復義務を負わせることになります。再契約を何度も繰り返す場合にも、同じような特約を定める必要があります。

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